騎手エージェント制度解説!一覧…より詳しい掘り下げネタ
騎手エージェント制度と聞いて「ああ!あれね!」とすんなりいえますか?
単に知っているだけであってもエバレそうなものですが、実際にその詳細を把握している人は思ったよりも少ないのではないでしょうか。
この「エージェント」や「エージェント制度」は、騎手がどの馬に騎乗するかを選ぶ「プロセス」において極めて中心的な役割を果たしています。
かつては騎手が直接オーナーやトレーナーとコミュニケーションを取り、騎乗する馬を選んでいたものですが、現代では騎手の代理としてエージェントがオーナーやトレーナーと調整を行います。
これらのエージェントは、正確には「騎手依頼の仲介者」を意味し、一般に騎手エージェントと称されています。
なんで騎手エージェント制度の導入されたの?
エージェント制度が導入される以前、特に人気のあるトップジョッキーはオーナーやトレーナーからの騎乗依頼が非常に多く、特定の騎手へ多くのオファーが寄せられるケースが散見されました。
これらの騎手はレース準備、体調管理、練習、メディア対応、将来の乗馬に関する計画など、多岐にわたるタスクを持っていました。また、オーナーやトレーナーとの関係を円滑に保つプレッシャーもあったのです。
1980年代後半、岡部幸雄騎手や武豊騎手などのフリージョッキーは、これらのプレッシャーを軽減するために乗馬のスケジュール調整をエージェントに依頼し始め、2006年にこれが正式な制度として確立されました。
エージェントに課される制約・条件
多くのエージェントはトラックマン(競馬ジャーナリスト)を兼業しているか、以前トラックマンだった経歴を持っています。オッズの操作や特定騎手への依頼の過度な集中を防ぐため、エージェントにはいくつかのルールが定められています。
① エージェントがサポート可能な騎手は、経験豊富な騎手3名と新人騎手1名の合計4名まで
② エージェントは馬券の購入が禁止されている
③ 馬のオーナーまたはオーナーと雇用関係にある者はエージェントになれない
これらの規制は競馬の公正を守るために設けられています。
エージェントの利点
エージェントに騎乗調整を任せることで、騎手はその手間とストレスから解放され、レースに集中することができます。
これは大きいですよね。
騎手も人間なので人付き合いが苦手な人だっていますから。
エージェントの報酬は、基本的には騎手が獲得した賞金から支払われ、これがエージェントにとって騎手が勝利する馬を選定するインセンティブとなります。
この関係はお互いにとって利益をもたらし、エージェントの選馬のスキルと騎手のパフォーマンスを共に高めます。
エージェント制度のデメリット
騎手の視点から見ると、エージェントへの報酬支払いがマイナス要素といえます(まあその分仕事をしてもらうわけなので当たり前と言えば当たり前)。
一般的に報酬は騎手の賞金の約5%とされています。
一方、エージェントにとってのリスクとしては、担当騎手が怪我をすると競馬に騎乗できなくなり報酬が得られなくなるという点が挙げられます。
もちろん不振に陥って成績が落ちる事も。
騎手エージェント一覧…ではなく体系的流れ
2023年~で注目すべき騎手とそのエージェントに関してです。
※確認現在の話です。
小原靖博氏は現在、日本でトップのエージェントと見做されています。
彼は岩田康誠騎手、岩田望来騎手、そして今村聖奈騎手のマネージメントを手掛けています。
さらに、2月に引退を宣言した福永祐一騎手もマネージしており、福永騎手が13年連続で年間100勝を達成した時には…
「なんとか年間100勝をクリアできるように、エージェントが気を利かせて一生懸命良い馬を見つけてくれた」と、彼から小原氏への最初の感謝の言葉が述べられました。これはエージェントの役割の重要性を浮き彫りにしています。
また、今村騎手が初年度で51勝を達成したことも、小原氏が多くの優秀な馬を見つけていたおかげとされています。
次に注目するのは、豊沢信夫氏です。
豊沢氏はルメール騎手、武豊騎手、浜中俊騎手、そして泉谷楓真騎手のマネージメントを手掛けています。
基本戦略は、ルメール騎手を中心に高いポテンシャルを持つ馬を確保し、次にその余った馬を武豊騎手や浜中騎手、泉谷騎手に託しています。
それにもかかわらず、武豊騎手は多くの馬主から直接オファーを受け、それに応えているようです。
浜中騎手は過去にリーディングジョッキーになった経験がありますが、このグループでは第3ポジションにいて、近年の不振の一因として馬の質の低下が指摘されています。
この2人のエージェントが競馬界でその影響力を拡大していますが、2023年には新しい動きも現れました。
それは、井上政行氏の動きです。
2022年、井上氏は川田将雅騎手の専属エージェントとして名を馳せていました。
しかし、2023年になり、新たな若き才能である団野大成騎手のマネージメントも手掛けることになりました。
団野騎手はデビューから順調でしたが、2022年、4年目のシーズンは30勝で終わっています。
これには、3月の落馬事故とその間に現れた今村騎手らの活躍が影響していると見られています。
団野騎手はこれまで、松田大作騎手や永島まなみ騎手をマネージしていた吉井慎一氏と契約していましたが、2023年からは井上氏に切り替えました。
これにより、井上氏は川田騎手と団野騎手、2人のマネージメントを進めていくことになります。
川田騎手は、アクシデント防止のため騎乗依頼を積極的に増やす姿勢を持っていないので、その分、団野騎手への依頼が増える可能性があります。
同じエージェントとの契約の利点は、団野騎手が川田騎手との交流を深め、日々の実践や騎乗技術を学ぶ絶好の機会になることが期待されます。
実際、団野騎手が騎乗する馬には、井上氏のコネクションを活かしたものが多く含まれており、2023年には大きな進歩が予想されています。
後継者を巡る熱き戦いとルメール騎手の展望
福永騎手の引退は大きな穴を残し、その座を継ぐべくルメール騎手と岩田康誠騎手が注目を集めています。ルメール騎手はエージェントの豊沢信夫氏、一方岩田康誠騎手は小原靖博氏と共に、それぞれ次世代のトップジョッキーとしてその地位を築いていく構えです。
豊沢氏のサポートにより、ルメール騎手は数多くのG1レースに騎乗しています。一方で、岩田騎手は小原氏の幅広いネットワークを活かし、安定した成績を残し続けています。この2人の騎手とエージェントのタンデムが、業界をいかに盛り上げていくのかが注目されます。
ルメール騎手にとっては、今後のキャリア構築や新世代ジョッキーとの競り合いが課題となるでしょう。彼がこれまで通りの実力を保ち、新たなチャレンジにどう応えるか、ファンの目は光ります。
新世代ジョッキーの勢いも
新しい世代もまた、騎手としての地位を確立しつつあり、特に今村聖奈騎手と団野大成騎手が頭角を現しています。今村騎手は、初年度にして51勝を記録し、すでに一線級の騎手として認知されています。団野騎手は井上政行氏の元で更なる飛躍が期待されています。
こうした若手とベテラン、そして彼らのエージェント間の競争が、2023年の競馬界をどう動かしていくのかが非常に興味深いポイントとなります。
まとめ
騎手のエージェント制度は競馬界において大きな影響を持ちます。各エージェントがどのように「仕事」を展開し、騎手のキャリアや業界全体にどれだけインパクトをもたらすのか。
そして、新しい世代がどう業界の動きを変えるのか。
これらが複雑に絡み合う要素となり、競馬界はこれからも多様な発展を遂げることでしょう。
新たな世代の騎手たちがどう老舗のエージェントやベテラン騎手たちと競い合っていくのか、エージェント間での戦略的な動きがどのように展開するのか、そしてルメール騎手が新しい世代とどう闘っていくのか。
これらの要素が絡み合いながら、一層の盛り上がりと新しい風を競馬界にもたらすこととなります。
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